- 2008-02-02 (土)
部屋の天井のライトが軽くチカチカしている。極度の面倒くさがりの為に、これからもこのままで暮らすのかもしれない。最近はチカチカで気分が悪くなる為、自室のライトは殆ど使用しないで暮らしている。
天井のライトのカバーは神経質な親父が捨ててしまった。どうやらチカチカを不憫に思って電球を交換しようとしたのだが、築20年の家のライトのカバーはプラスチックが劣化していた為割れてしまったのだろう。
そんな生活にも慣れた時、今度はリビングのライトが裸電球になっていた。「船みたいで雰囲気あるでしょ。」母親は言うが客船に裸電球は無いだろう・・・イカ釣り漁船なら剥き出しのハロゲンライトを海中に向けて操業しているが・・・
ホラー映画かいなと思うような裸電球&蛍光灯の中で幽霊を見た時の話でも。
いままで幽霊なんかを見たことも無いし、あまり信じてもいない。見えるという人は居るが、分裂病だかなんかで存在しない物が見えているのだろうと思っていた。しかし、霊なのか幻覚なのか脳みそはたまに存在しないものを人間に見せたりもする。それは今から10年近く前、自分が大学4年だった時の話だ。
ある日友人から電話がかかってきて、これから軽井沢だか箱根だかに来ないかという話だった。どうやら大学のゼミ兼サークルの人間が先輩の家の別荘で飲んでいるという事で、男しか居ない所で酒を飲むという為に箱根に行くのも面倒くさいと思いつつも、暇にしてるよりかましか程度の考えでオーケーした。
事前の話では先輩(360ML缶と同じ太さという巨根)とその彼女と加藤という人間が宴会を始めており、私が田島という人間を途中で車に乗せ遅れて参加、さらにカラオケ店でバイトが終わり次第、佐々木という男が到着するということだった。
メンバーを聞いてさらに気力が萎える。このメンバーはいつもの麻雀メンバーであり、男が4人じゃなく5人ということは、1人ずつ順番で休憩をしながら延々と酒を飲み麻雀をやることを意味している。
到着するとそこでは既に酒を飲みながら斜面でサッカーをやっている加藤と先輩。俺は先輩の彼女と酒を飲みながら夜のバーベキューの下準備をして、適当に花火をつけてみたりフリスビーをして5分で飽きるなんて時間を過ごした。
取り立ててその先輩の彼女と仲がいいわけでもなく、あまり仲が良くなると先輩と彼女らが酒を飲むたびに千葉から箱根までしょっちゅう呼ばれるのはたまらんと思い、適当な世間話をしつつも、「あの人面白い人ね」、「良い人ね」、「また呼ぼうよ」なんて思わせない距離感で、楽しい話もせずに適度な盛り上がりで参加していた。
その時に実は聞きたかったが、聞かなかった事は台所で料理をしている女の人は誰なのか?という疑問だった。事前に聞いていた話だと来るメンバーは先輩、彼女、加藤、田島、佐々木、俺だ。
田島と俺は大学の同じクラス、別荘の持ち主のその先輩と彼女佐々木と加藤と田島は同じサークルで、俺はそのサークルのメンバーでは無いが仮部員として面白そうなイベントにだけ参加するというまぁ皆顔なじみのメンバーだ。
しかし実際にはもう一人背の高い頭にカチューシャをした白い服を来た女がキッチンでサンドイッチを作っているのだ。
他のメンバーも彼女に話しかける風でも無い。同じく部屋に居る田島なんぞ絶対に目を合わせないと言うか、女など存在しないという態度を貫いており、俺も外でバーベキューの準備をしているのに部屋の中に入ってまで下を向いてカチューシャをつけている女に声をかけに行くのも面倒くさい。コンピューター好きの加藤に彼女が居るという話は聞いたことが無いが、佐々木は到着していないのだから、加藤の彼女か先輩の彼女が連れて来た友人なのだろう。
どうせ飯を食うときに名前聞いたり色々話したりするんだからまぁいいかと思い、そのまま夜になりバーベキューを始める頃にはカチューシャの女の存在も忘れて、ただソーセージだの味付き肉だの食べ、「お前等カボチャ食えカボチャカボチャが燃えてるぞ」と栄養を考えてカボチャを田島に食わせたりしていた。
もともと肉をそんなに食べない人間なので、焼肉のたれの味に飽きてきた頃、サンドイッチの存在を思い出した私は、
「そうだサンドイッチ食うか」との発言でその場に居る人間の頭に?が浮かんだ。
「バーベキューにサンドイッチがあるわけねーだろ。バカ」との発言でこっちも頭の中が?になる。
「夕方、加藤の彼女がサンドイッチ作ってたじゃん。
カチューシャで白い服着てた子」今度は加藤の頭が?になる。
「そういや今居ないけどもう帰ったの?」
だんだん俺の発言を見る周りの目が不思議ちゃんを見る物になっていく。
「今日ここに居るの女は私だけだけど・・・」
頭の中に幽霊という選択肢が無いので、
今度は別荘地に入るときに見た建て看板を思い出す。
「注意!空き巣多発!」
別荘地で人が少ないのをいいことに空き巣が来るのだろう。
「一回財布だけみんな見たほうがいいぞ」って事になるが、全員金品はしっかり残っている。
幽霊だったんだ・・・と思いつつも人の家の別荘に遊びに来て幽霊だとも言いにくい
「誰だろねカチューシャ。たはは。」と軽く笑い、
「いまどきカチューシャってのもあんまり見ないからさ、
あはは、加藤の彼女かと思ってた。タハハ」と軽く笑い
肉を食べて酒を飲んで麻雀をしてその事を忘れることにした。
それですっかり忘れたまま暮らし、
こうやって家のライトが点滅して思い出し、
突然幽霊を見たことをBlogに書き、
世間では餃子が食べられないと嘆いているので、
せめて自分だけでも餃子を食べようと思い、
今からひき肉とキャベツに味付けして、
小麦粉で作った皮に詰める作業をするところです。
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