クズの生活

犯罪の巧妙化から、捜査範囲は広域に及び、
警察は捜査にてこずるあまり、次の事を決定した。

拳銃のありかを通報した場合、情報の協力度合いに応じて
1丁あたり10万円程度の謝礼をする。

＿＿＿＿＿

「おい、村田久しぶりだな。」

「お、刑事さんがくるなんて珍しいな。どうしたんだ？」

「今日はちょっと悪い話でな。ガサや。」

「ちょっと田中はんきっついなー。わしなんも悪いことしてへんで」

「暴力団が悪いことしてへんて、嘘もたいがいにせーや。
署にあんたとこにチャカがあるって匿名の通報あったんだからしゃーないやろ。
握り潰したら監査入るがな。」

「事前にゆうてくれよ、そんなんなら。こっちだって情報やっとるやろが。」

「そんなもん今通報あったんやからしゃーないやろ。
まぁどうせ見つかるんやから先にいえよ。あんた何個持ってんだ？」

「これで全部や、全部で10丁やな。」

「そうか、解った。そんで誰引っ張ったらええんや？」

「カズ連れてけ。カズ！おまえ行ってこい」

「えっ…」

「大丈夫や、チャカ持ってる位でそう長いことお勤めくらうかいな。
戻ってきた時の居場所は約束するが」

「わかりました…」

「おめーもインテリぶってるが、お勤めから出てきたら箔がつくよ。」

「はい…」

「そんで刑事さん。」

「ん？」

「たれ込んだ奴は誰や？」

「元だよ。」

「なんやと！誰や？」

「和光にいるタカアキいう奴でな、
まーどーしょーもない奴や。
昔は稼業やった事もあるんやけどな、女でこけて破門や。
あんたんとこにヒロシってやつ居るやろ。
ヒロシの女か？あいつ池袋で働いてるな。
最近はそれに入れあげててな。金なくなったんやろな。
ヒロシの女が昔ちらっとタカアキにチャカの話喋ったのでも思い出して、
アホの頭で必死に考えて金になると思ったんだろ。
いっつも池袋でパチしよるからすぐ見つかるわ。
ほれ、これが顔じゃ。」

「おい!タケとノブおまえらはタカアキ捕まえてこんか」

「あと組長さんな、この100万はタカアキには渡さんで。
あのアホに渡したってどうせしょーもない薬とパチと女に消えてまうからな。
4分6分であんたが6や。残り4分はまたの時の情報量にプールしとくわ。
タカアキが謝礼受取れん様にしといてくれよ。頼んだで」

「おい、ノブ。この60万は城南金融に入れてまわしとけ、この前一人飛んだやろ。その補填や。」

そしてタカアキの運命は…

こんな様子が容易に想像できます。