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栄養をクレ

  • 2008-06-19 (木)

6月が終わりになる頃にまた陰気な話とかを書く嫌な私
世間はボーナスだとか浮かれている最中、
肥料業界においては肥料年度が替わると言う重要な時期になってくる。
簡単に言うと他の物資と同じように値上げになる。
植物に必要な元素チッソ、カリウム、リンのうち、
その中でも、日本で産出せず100%輸入に頼っているリンが、
中国、アメリカの関税100%上げで実質日本では手に入らなくなる。
日本で唯一リンが手に入る島もアメリカ軍の管理地にされているため、
リンをどうやって手に入れるかが重要な問題になっている。
まぁどうやっても手に入らないから関税を100%かけてふっかけてきているわけだが。


昔ながら日本は化学肥料なしでやってきたという
伝統農業派も居るが、それで養える人口は3000万であり、
それでも飢饉がおきていた。

人糞を使え派も居るが、日本は昔から人糞を大量に使っていたため、
土壌がチッソ過剰を起こしており、これ以上チッソが増えると植物は育たない。
と言うか結実に関係する元素がリンである。
畜糞にはリンはあまり含まれないので、江戸時代の様に人骨を粉砕して
畑にまく必要がある。


化学合成しろ派も居るが、リンは元素が非常に安定しているので、
他の分子と結合すると分離は不可能である。


魚肥を使えと言っても貴重な魚肥のイワシは今やタイ以上の高級魚になっている。


多数の作物が出来る植物をバイオで作成するという案もあるが、
多数の作物の実をつけさせるには結局多数のリン酸が必要となり、
錬金術のように実だけをどこからか生み出すのは不可能である。


結局土中の養分を植物で濃縮してそれを摂取している以上、
摂取したリンをまた土中に戻すには、生態で濃縮するしか不可能であり、

排出したリンは海に流れプランクトンが食べ、魚が食べ、海鳥が食べ、
それを島に糞をさせてそれを削り取るという方法しか存在しない。それより以前に戻し、
川べりを全て畑にして鮭を放流し、それを遡上させて、山の上の熊に食べさせ、
死んだ熊が土になり河川の氾濫で補給すると言うのが古来の日本の方式だろうが、
とてつもなく気が長くなり、川べりの人達も反対するだろうから、

現実的には、肥料が上がる、食物が上がる。
もしくは、肥料が上がる、肥料を買わない、作物が出来ない。作物が上がる。
どちらかの二択になるのだろう。


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