2008年05月
一発やる
- 2008-05-30 (金)
一件おしゃれに見えるが、
打ちっぱなしが得意な建築家の作品を大量に並べてみると
ただの刑務所か北朝鮮の画像に見える
自然の中の一軒家などの場合は多少周りの景観とマッチングする気もする
ここからは元いえ屋としての作業的な話
外装がかからない分、格安に出来そうなイメージがあるが、
実際はその逆でコストはかなりかかる。
高級コンパネ(糖分が少ない)を使用し
型枠にコンクリを流し込んだ後、竹ざおで上から突き続ける
最近はバイブレーターなんて物もで振動させて収める方法があるが、
やはりここは勝負仕事なので大勢の職人で伝統に則り竹ざおでつつきたい
コンクリート打ちっぱなしとは一般人の呼び名
業界では通称「一発仕上げ」と呼ばれる
ようは失敗したら修正がきかない一発勝負なのである。
突きが足りないと表面に穴が開いたり割れが出来る
コンパネの質が悪いと表面がざらついたり、硬化不良、その他模様が出来る
水分が多ければ硬度が不良になるし、骨材が全て建物下部に貯まってしまう。
これから一発仕上げ物件を見るときは、
職人の失敗した部分を探すとまた一味違った楽しみ方が出来る。
とそんなことを思いつつ今週末は一発仕上げを見物に
保険
- 2008-05-12 (月)
朝9時に私あての電話が鳴った
9時に電話が鳴るというのは、どう考えても不吉であり、
社内の電話なら9時前でも当然かけてくるが、
9時丁度にかけるというのはどこか外部の人間からの電話という事になり、
いつでも良い話ではなく、出来るだけ早く伝えなければいけない話という事になる。
そして私宛に外部からかかるとすれば、
銀行、保険、証券、であり、
どう考えてもやはり良い話ではないのだろうなと思いながら電話を取る。
「naoさんですか。谷節です。あまり良い話じゃないんですが。」と切り出され、
朝から暗い気持ちで電話を続ける。
この谷節という人間は、銀行から早々に追い出され、今では企業債権の保険屋となっている。
「あのー某社のね、売掛債権ちょっと保険から外させてもらうわ。ありゃ全然だめだ。」
こういう軽い口調が銀行員としては不向きで追い出されたことは以前から感じていた。
「こっちだって駄目なの解ってるから保険かけてんだからそんなん困りますよ。」と言っても、
「契約書にね、7条かな?資金繰り悪化の為事業が急速に傾いた場合甲は契約を解除できる。
ってかいてあるでしょ。でも法改正で俺の会社が出来てからこれ適用するのは初めてだよ。がはは。」
保険屋はいつだってそうだ。ギャンブルの胴元をやり、
自分に有利な条件でのみ話を受けて、不利になった瞬間に突然ルールを変えてくる。
「でね、一応このケースの場合、適応が90日後。
それで一方的に契約解除だとお世話になってんのにわりーから
支払った保険金は全額返すから。」
つまり、今回のゲームでは90日以内に某社が潰れたら俺の勝ち
90日以後に潰れたら保険屋の勝ちだが、当然俺が勝つ算段は無い。
この慌て振りだと、90日後以降に某社は潰れるのだろう。
谷節の情報源はM銀行である筈だから、
どうやら一番イケイケのM銀が下期の資金融資から手を引く事が明確になっているようだ。
某社の残念だった事は、事業が傾きだした時に藁をも掴む気持ちで産廃事業に手を出したことだ。
産廃事業をやっている以上残るM菱銀からの融資は絶望的になる。
M菱の場合は焼肉、パチンコ、風俗、産廃とうこういった業種の割合が有る場合はほぼ無条件で融資は受けられない。
すると頼みの綱は地銀になるが、残念ながらその地方の地銀はイケイケのタイプではなく、
石橋を叩いて渡らないタイプの渋い審査の銀行。
どうやら飛ぶのは、ほぼ確定であり、時間の問題の様相である。
「もう駄目なの?」
「ぐちゃぐちゃ。」
下手に産廃に手を出したために、
Xデーには田舎の愚連隊、柄の悪いハイエナが嗅ぎつけてくるのだろう。
合掌
鍵穴
- 2008-05-09 (金)
会社のパソコンに昔のお気に入り写真を保存していたが、一応サーバーに保存先を移設
地下に続く階段の写真に続いて陰気なお気に入り写真第2弾
世間では工場萌えとかなんとか言うがそういうものには比較的造詣が深く
廃墟、工場、ダム、鍵穴とどうでもいいことに徐々に造詣が深くなっていくのです。
消える男
- 2008-05-08 (木)
数年前に新薬開発のバイオベンチャーが立ち上がった。
怪しげなベンチャーが多い中、同社は比較的まともな部類として取り上げられ、徐々に知名度を上げていく。
さらに大病院院長やら大学教授、衆議院議員を取り込み知名度と合わせて徐々にまともな会社へのイメージ作りは進み、
買収を重ね着実に規模を拡大していく。
その某企業の子会社が再びニュースを騒がせたのは最近
アスクレピオス社、外資系金融大手リーマンブラザーズ社相手に400億の巨額詐欺事件
内容と言えば、ア社社員が丸紅の偽造担保の書類を作成し丸紅役員に成りすましリーマンから400億を引き出したというもの。
この事件の煽りでア社は倒産親会社LTTバイオ社まで影響を及ぼす騒ぎになった。
と、ここまでは金額規模では巨大だが、起きた事はありがちである新興企業の詐欺事件である。
しかしここから事件は報道されない闇に向かって突入していく。
ア社は病院建設及び経営に資金を出しバックマージンで資金を回収していったが、
忽然と消えてしまった資金が数百億発生している。
以前からこういった外資を巻き込んだ経済事件の社長が消される出来事は、
表面上の捜査だけで、事件で無く自殺、変死、病死として片付けられていく。
堀江一味のHIS証券社長の野口氏は沖縄のホテルで刺され救助を求めながら自殺で死亡。
あおぞら銀行次期頭取本間氏は、都内ホテルで首吊り自殺とされるが、
隣室の女性が隣の部屋で大勢の人間が暴れていてうるさいとホテルに苦情を言った記録が残っている。
そしてタイミングを合わせるように話は進んでいく。
5月7日
聖マリアンナ医大名誉教授、LTTバイオファーマ会長
心不全にて死亡
合掌
接着
- 2008-05-02 (金)
GWは何をしようかな?とふと考えると、
いよいよあれをやらねばならんと思った事が「接着」というのは、
私が非常に暗い性格だからではなく、
家の物が色々壊れて非常に難儀をしているからなのである。
ここで何もわからない人の為に正確に記述すると、
まず急須が壊れている。材質は陶器
急須の蓋を摘むぽちっとした部分がぽろりと取れてしまっている。
もう一つは4年前に大阪のユニバーサルスタジオジャパンで買った、
スパイダーマンのマッサージ人形。
材質はABS樹脂で芯に金属が入っている。
近所の文房具屋に、しょーがねーなってとぼとぼ歩いて買いに行くと、
オフィス街の文具店らしく接着剤の種類が極めて少ない。
接着に関してはうるさいよ。俺は。
なんて通を気取って一人接着剤を見ているが、どうも適した物が見つからない。
接着剤選びは、固まった時の硬さが、接着する素材と同じ硬さになる物を選ぶのが基本だ。
柔らかい木材には固まった状態が弾力のある木工ボンド
逆に水分を吸わず硬い金属には金属用の接着剤
陶器は陶器用やらセメント風の素材
見繕った結果、樹脂製マッサージ人形には速乾性の瞬間タイプ
接着面積の少ない陶器製の器には瞬間でないタイプ
と思って売り場を見ていたが、値段が瞬間接着剤289円
瞬間接着剤以外の物は一つしかなく480円
どうするかと思い悩んだが、
福田の首相も「家計は工夫して乗り切ってください。ふふん」なんていう始末であるから、
当然私の家計も逼迫しており、工夫が必要な状況である。
仮に両方買うなんて選択をした場合、工夫不足として槍玉に挙げられ、
無能と罵られ一生出世もせずに下積みで人生が終わるかもしれないので、
必死に悩んだ結果480円のあらゆる物を接着できる万能タイプという謳い文句の瞬間接着剤でないタイプを購入した。
しかし、ここで一つ疑問が残る。
前述したように、接着とは極めて職人的な物であり、
「何にでもくっつきますよー」なんてナンパな事が存在するのか?
金属、皮、樹脂、木、発泡スチロール、ゴム、フェルト、布が使用可能と書かれている。
現代化学でこんな事が可能なのであろうか?
しかし、高ければ性能がいいはず。
「超硬化」「超クリヤー」「超強力」と書いてあるではないかと安易にアメリカンに自分を納得させ、
会社に戻った後、スパイダーマンのマッサージ人形の左足首に接着剤を塗布
なかなかくっつかないなぁと思い説明書きを読んでいると、
「約4分で動かなくなり、24時間で硬化。実用強度は1時間固定です。」と書かれている。
4分か…
常識的に4分間も事務所内でスパイダーマンの足を押さえていたらまずいだろうと思いながら、
こそこそとスパイダーマンを抱えて給湯室に移動し、
静かな給湯室内でスパイダーマンの足首をずっと押さえていると、
そこに3時のお茶を入れに女子社員がやってきて、
「4分ね。4分押さえてないと接着できないの。」とかなんとか説明したりして、
私の将来の出世は絶望的になったのかもしれないのである。ふふん。